相続税の税率は10%~最高55%!税率が決まる仕組みや相続税の早見表も税理士がわかりやすく解説

相続税 税率

相続税の税率は、10%~最高55%と取得金額が多いほど上がります。

ただし、遺産総額ではなく相続人ごとの法定相続分を基準に税率が決まります。

本記事では、相続税の税率が決まる仕組みや具体的な計算方法を中心に解説します。

また、相続税の早見表や実際に相続税がかかる人の割合も紹介するので、相続税がいくらくらいかかるのかを知りたい方や、将来に備えて仕組みを理解しておきたい方はぜひお役立てください。

監修者
<この記事の監修者>
吉本 貴幸(よしもと たかゆき)
税理士法人吉本事務所
代表社員 税理士・行政書士
大学卒業後、1998年に現在の税理士法人の前身である個人税理士事務所に入所。2021年10月より現職。法人、個人事業のクライアントや相続税、贈与税の申告に関わる一方、税理士法人関連会社の社会保険労務士事務所、行政書士事務所、保険代理店のマネージメントにも携わる。経営に関する総合的な知識のもと、税務申告のみならず、事業運営・起業・法人設立のアドバイスも得意とする。税理士法人関連7サイトの総編集長・監修者として、最新の税務情報発信に務めている。
目次

相続税の税率はどれくらい?

相続税の税率は、国税庁の「相続税の速算表」から一覧で確認できます。

法定相続分に
応ずる取得金額
税率控除額
1,000万円以下10%
1,000万円超から
3,000万円以下
15%50万円
3,000万円超から
5,000万円以下
20%200万円
5,000万円超から
1億円以下
30%700万円
1億円超から
2億円以下
40%1,700万円
2億円超から
3億円以下
45%2,700万円
3億円超から
6億円以下
50%4,200万円
6億円超55%7,200万円

引用:国税庁

表の通り、税率は10%~55%の範囲で段階的に上がる仕組みです。

注意点として、相続税の税率は相続人ごとの法定相続分に対してかかります。

詳しくは後で解説しますが、仮に遺産総額が5,000万円の場合、税率は20%で控除額は200万円だから「5,000円×20%-200万円=800万円」とは計算しません。

相続税の計算式は「遺産総額×税率-控除額=相続税額」ではありません。

相続税の税率が決まる仕組み

相続税の税率が決まる仕組みには、主に以下のポイントがあります。

取得金額が多いほど税率が上がる

相続税は、取得金額が多いほど税率が上がる超過累進課税方式を採用しています。

超過累進課税方式とは、課税対象額が一定の基準を超えると、超えた部分に対して税率が段階的に上がる計算方式のことです。

高所得者ほど税率が上がる所得税と同じ仕組みと考えると、イメージしやすいでしょう。

たとえば、法定相続分が2,000万円の場合、2,000万円のうち1,000万円以下の部分には10%、1,000万円を超えた部分には15%の税率がかかります

2,000万円のうち
1,000万円以下の部分
1,000万円×10%=100万円
2,000万円のうち
1,000万円を超えた部分
1,000万円×15%=150万円

100万円+150万円=250万円(相続税額)

これをまとめて計算するための表が冒頭の「相続税の速算表」です。

相続税の速算表を使えば「2,000万円×15%-50万円=250万円」と一度で計算できます。

法定相続分に応じて税率が決まる

冒頭でもお伝えした通り、相続税の税率は遺産総額ではなく、相続人ごとの法定相続分に応じて決まります。

たとえば、遺産総額が1億円で、法定相続人が配偶者と子ども2人の計3人とします。

この場合の相続税の税率は、以下の流れで確認できます。

1.遺産総額から基礎控除額を引く
1億円-(3,000万円+600万円×3人)=5,200万円

2.残った金額を法定相続分で分ける
配偶者:5,200万円×2分の1=2,600万円
子ども:1人あたり5,200万円×4分の1=1,300万円

3.法定相続分に応じた税率を確認する
配偶者:15%(1,000万円超から3,000万円以下)
子ども:1人あたり15%(1,000万円超から3,000万円以下)

なお、遺産総額が同じでも法定相続人の数や法定相続分の割合で、相続税の税率が変わる場合がある点に注意しましょう。

法定相続分の割合や相続税の計算方法は、後で詳しく解説します。

相続税発生前で、相続税と贈与税のどちらが高いかを知りたい方は以下の記事をご参照ください。
相続税と贈与税の税率の違いやどちらが得かを税理士が解説

実際に相続税がかかる人の割合

前提として、相続税は必ずしもかかる税金ではありません。

令和7年12月の国税庁の資料では、相続税の課税割合は10.4%と発表されました(令和6年分)。

引用:国税庁

課税割合とは、相続税の申告書を提出した被相続⼈の数(死亡者の数)を、全体の被相続⼈の数(死亡者の数)で割った割合を意味します。

なお、被相続人1人あたりの相続税額は平均1,946万円(令和6年分)です。

相続税はいくらまで無税?

遺産総額が基礎控除額を超えなければ、相続税はかかりません(無税)

遺産総額が基礎控除額を超えた場合に、超えた部分に対してかかります。

基礎控除額とは、遺産総額から差し引ける一定の金額のことで、以下で計算できます。

基礎控除額=3,000万円+600万円×法定相続人の数

相続税の基礎控除額について詳しく知りたい方は、以下の記事もご参照ください。
相続税の基礎控除を税理士がわかりやすく解説

おおよその相続税額は早見表で簡単にわかる

相続税がいくらくらいかかるのかを知りたい方へ、相続税の早見表をご用意しました。

あくまで目安ではありますが、ご自身の状況に当てはまる表を参考にしてください。

・配偶者と子どもが相続人の場合
・子どものみが相続人の場合

なお、相続人に被相続人(亡くなられた人)の兄弟姉妹が含まれる上記以外のケースは、以下の記事からご確認いただけます。
相続税の早見表(ケース別)を税理士が解説

配偶者と子どもが相続人の場合

被相続人に配偶者と子どもがいる場合、以下の早見表をご覧ください。

スクロールできます
遺産総額配偶者と
子ども1人
配偶者と
子ども2人
配偶者と
子ども3人
配偶者と
子ども4人
3,600万円以下0円0円0円0円
4,000万円0円0円0円0円
5,000万円40万円10万円0円0円
6,000万円90万円60万円30万円0円
7,000万円160万円113万円80万円50万円
8,000万円235万円175万円138万円100万円
9,000万円310万円240万円200万円163万円
1億385万円315万円263万円225万円
1億5,000万円920万円748万円665万円588万円
2億1,670万円1,350万円1,218万円1,125万円
2億5,000万円2,460万円1,985万円1,800万円1,688万円
3億3,460万円2,860万円2,540万円2,350万円
3億5,000万円4,460万円3,735万円3,290万円3,100万円
4億5,460万円4,610万円4,155万円3,850万円
4億5,000万円6,480万円5,493万円5,030万円4,600万円
5億7,605万円6,555万円5,963万円5,500万円

※法定相続分で相続した場合
※配偶者の税額軽減を適用した場合

子どものみが相続人の場合

被相続人に配偶者がおらず、子どものみが相続人の場合、以下の表をご覧ください。

スクロールできます
遺産総額子ども1人子ども2人子ども3人子ども4人
3,600万円以下0円0円0円0円
4,000万円40万円0円0円0円
5,000万円160万円80万円20万円0円
6,000万円310万円180万円120万円60万円
7,000万円480万円320万円220万円160万円
8,000万円680万円470万円330万円260万円
9,000万円920万円620万円480万円360万円
1億1,220万円770万円630万円490万円
1億5,000万円2,860万円1,840万円1,440万円1,240万円
2億4,860万円3,340万円2,460万円2,120万円
2億5,000万円6,930万円4,920万円3,960万円3,120万円
3億9,180万円6,920万円5,460万円4,580万円
3億5,000万円1億1,500万円8,920万円6,980万円6,080万円
4億1億4,000万円1億920万円8,980万円7,580万円
4億5,000万円1億6,500万円1億2,960万円1億980万円9,080万円
5億1億9,000万円1億5,210万円1億2,980万円1億1,040万円

※法定相続分で相続した場合

相続税を計算する方法【5ステップ】

ここからは、以下のケースを想定して相続税の計算方法をわかりやすく解説します。

法定相続人配偶者と子ども2人の計3人
相続財産1億円
葬式費用200万円

なお、国税庁の相続税の申告要否判定コーナーでも、税額計算シミュレーションができます。

具体的な操作や使い方も説明されているため、気になる方は利用してみるとよいでしょう。
国税庁:相続税の申告要否判定コーナー入力例・FAQ等

ステップ1.遺産総額を計算する

まずは、相続財産の合計額から被相続人の債務や葬式費用を差し引き、遺産総額を計算します。

相続財産の合計額-亡くなられた人の債務・葬式費用=遺産総額

今回のケースでは、遺産総額は9,800万円になります。

1億円(相続財産)-200万円(葬式費用)=9,800万円(遺産総額)

なお、相続税の対象となる財産は、以下の通りです。

・亡くなられた人が所有していた財産
→金銭に見積もることができる経済的価値のあるすべてのもの
・みなし相続財産
→生命保険金や死亡退職金のうち非課税枠(500万円×法定相続人の数)を超えた金額
・相続時精算課税の適用を受けた贈与財産
・相続開始前3~7年以内の贈与財産

債務=借入金・未払金・税金など
葬式費用=お通夜やお葬式の費用
※香典返し、墓石や墓地を購入する(借りる)ための費用、法事の費用は含みません。

ステップ2.基礎控除額を計算する

次に、基礎控除額を計算します。

相続税の基礎控除額は「ここまでは相続税がかかりませんよ」という非課税のラインです。

3,000万円+600万円×法定相続人の数=基礎控除額

今回のケースでは、基礎控除額は4,800万円になります。

3,000万円+600万円×3人=4,800万円(基礎控除額)

相続税の基礎控除や法定相続人の数え方は、以下の記事で解説しています。
相続税の基礎控除を税理士がわかりやすく解説

ステップ3.遺産総額から基礎控除額を差し引く

次に、ステップ1の遺産総額からステップ2の基礎控除額を差し引きましょう。

遺産総額-基礎控除額=課税遺産総額

相続税は課税遺産総額に対してかかるため、課税遺産総額が0円以下になれば相続税はかかりません(無税)

今回のケースでは、課税遺産総額は5,000万円になります。

9,800万円(遺産総額)-4,800万円(基礎控除額)=5,000万円(課税遺産総額)

ただし、遺産総額が基礎控除額ギリギリのときは申告したほうがよい場合もあります。

詳しくは、以下の記事をご参照ください。
相続税の基礎控除ギリギリのときにすべき対応を税理士が解説

ステップ4.相続税の総額を計算する

ステップ4が少しややこしいポイントです。

ステップ3の課税遺産総額を法定相続分で分けて、相続税の総額を計算します。

相続全体にかかる税金を公平に決めるため、実際の分け方では計算しません

法定相続分は、以下の通りです。

スクロールできます
配偶者と子どもが
相続人のケース
配偶者2分の1
子ども(2人以上の場合は全員で)2分の1
配偶者と父母または祖父母が
相続人のケース
配偶者3分の2
父母または祖父母(全員で)3分の1
配偶者と兄弟姉妹が
相続人のケース
配偶者4分の3
兄弟姉妹(全員で)4分の1

今回のケースでは、課税遺産総額5,000万円を法定相続分で分けると、以下になります。

配偶者:2,500万円
子ども:1人あたり1,250万円

ここで冒頭の「相続税の速算表」を使いましょう。

法定相続分に
応ずる取得金額
税率控除額
1,000万円以下10%
1,000万円超から
3,000万円以下
15%50万円
3,000万円超から
5,000万円以下
20%200万円
5,000万円超から
1億円以下
30%700万円
1億円超から
2億円以下
40%1,700万円
2億円超から
3億円以下
45%2,700万円
3億円超から
6億円以下
50%4,200万円
6億円超55%7,200万円

相続人ごとの法定相続分に、相続税の税率をかけて控除額を差し引きます。

配偶者:2,500万円×15%-50万円=325万円
子ども:1人あたり1,250万円×15%-50万円=137万5,000円

相続人ごとの税額を合計すると、相続税の総額は600万円(325万円+137万5,000円+137万5,000円=600万円)になります。

ステップ5.相続人ごとの相続税額を計算する

最後に、ステップ4の相続税の総額を実際の分け方で分けて、最終的に誰がいくら払うかを計算します。

今回のケースでは、実際にも法定相続分で分けたと考えましょう。

相続人ごとの税額は以下になります。

配偶者:600万円×2分の1=300万円
子ども:1人あたり600万円×4分の1=150万円

配偶者は配偶者控除(配偶者の税額の軽減)を使えるため、1億6,000万円または法定相続分のどちらか多い金額までの相続であれば相続税はかかりません。
よって、今回のケースでは配偶者控除により配偶者の税額は300万円から0円になります。
配偶者控除について詳しく知りたい方は、以下の記事をご参照ください。
相続税の配偶者控除を税理士がわかりやすく解説

なお、相続税の正確な計算や申告は、税理士に任せることをおすすめします。

財産ごとに評価額を計算したり相続人ごとに税額を計算したりなど、財産や相続人が多いほど計算が複雑になるためです。

詳しくは、以下の記事で解説しています。
自分で相続税を計算できるケースや注意点を税理士が解説

相続税の申告・納付は10か月以内が期限

相続税がかかる場合、申告・納付は被相続人が死亡したことを知った日(通常は被相続人が死亡した日)の翌日から10か月以内が期限です。

期限に遅れると延滞税が加算され、税負担が増えてしまう点に注意しましょう。

申告手続きには財産の確認や書類の準備など時間がかかるケースも多く、意外とあっという間に期限が訪れるため、税理士にはできるだけ早いうちに相談しておくと安心です。

なお、申告期限ギリギリの依頼は税理士費用が高くなる可能性が高いので、費用面の負担を抑える意味でも余裕をもって依頼することをおすすめします。

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まとめ

相続税は、税率が10%〜55%の範囲で段階的に上がる超過累進課税方式で、相続人ごとの法定相続分に応じて決まります。

遺産総額から基礎控除額を差し引き、相続人ごとの法定相続分に応じた税率で相続税の総額を計算したうえで、最後に誰がいくら払うかを計算する流れです。

とはいえ、財産の評価や各種特例・控除の適用など複雑な要素が多く、状況によって税額が大きく変わります。

相続税がかかる可能性がある場合や正確な税額を知りたい場合は、早めに税理士へ相談しておくと安心です。

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