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教育資金の一括贈与の改正点

 

平成31年度改正にて教育資金の一括贈与の見直しがありました。この制度は、父母や祖父母などの直系尊属から30歳未満の子や孫などに対し、教育資金として1,500万円まで非課税で贈与することができるというものです。今回、所得制限の設定など、以下の4点の改正がありました。


1.受贈者の所得制限
  子や孫などの受贈者の前年の合計所得金額が1000万円をこえる場合には、適用できなくなりました。一方で、贈与者の所得金額に制限はありません。

2.教育資金の範囲について
  23歳以上の人の教育資金の範囲について
  (1)学校等に支払われる費用
  (2)学校等に関連する費用(留学費用等)
  (3)教育訓練給付金の支給対象となる教育訓練を受講する費用
  に限定されることになりました。
  つまり、23歳以上の場合には、文化芸術やスポーツに関連するような費用は、今後対象外となります。

 

3.残高に対する贈与税の課税について
  30歳に達した場合に、(1)学校等に在学し、または(2)教育訓練給付金の支給対象となる教育訓練を受講している場合には、その時点で残高があっても、贈与税を課税しないこととなりました。(改正前は30歳のときに残高があれば、贈与税が課税されました。)
その後、(1)または(2)に該当する期間がなかった年の年末に、その時点の残高に対して贈与税が課税されます。ただし、それ以前に40歳に達した場合には、その時点の残高に対して課税されます。

 

4.贈与者死亡時の残高の課税について
  贈与者が死亡した場合には、贈与者の相続開始前3年以内に行われた贈与について、贈与者の相続開始日における残高を相続財産に加算することになりました。
ただし、(1)23歳未満の場合、(2)学校等に在学している場合、(3)教育訓練給付金の支給対象となる教育訓練を受講している場合を除きます。
また、この管理残高に対する相続税については、相続税の2割加算はありません。

 

5.適用時期について
  上記改正は、1及び4は、平成31年(2019年)4月1日以後、2及び3は、令和元年(2019年)7月1日以後の適用となります。適用時期が異なるのでご注意下さい。また、制度自体の適用期限も2年延長され、令和3年(2021年)3月31日までになりました。

 

6.まとめ
  改正によって、受贈者の所得制限や教育資金の範囲が厳格化された一方で、30歳以上の就学継続には配慮がされた改正となりました。やや要件が厳しくはなったものの、内容をよく理解して実行することで、効果的な生前贈与を行うことがまだまだ可能な制度ですので、ぜひお知りおき下さい。

 

*教育資金とは?
1.学校等に直接支払われる次のもの
 ✧入学金、授業料、入園料、保育料、施設設備費又は入学(園)試験の検定料など
 ✧学用品の購入費、修学旅行費、学校給食費など学校等の教育に伴って必要な費用
2.学校等以外に直接支払われる次のもの(合計500万円が限度)
 ✧学習塾・水泳教室・そろばん・ピアノなどの指導の対価や、指導で使用する物品の
 購入に要する金銭等
 ✧通勤定期券代、留学の渡航費などの交通費

 

 

 

  (2019年8月記載)

 

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