トップページ > 【相続税の財産評価】宅地の評価の基本(路線価方式と倍率方式)

 

【相続税の財産評価】宅地の評価の基本(路線価方式と倍率方式)

  

今回は、国税庁が定める相続税の財産評価基本通達に基づく宅地の評価の基本を取り上げたいと思います。

土地の価額は、宅地、田、畑、山林等の地目の別に評価します。(評通7)

 

【1】宅地の評価の方式
 宅地の評価は、原則として、次に掲げる区分に従い、それぞれ次に掲げる方式によって行います。
(1)市街地的形態を形成る地域にある宅地…路線価方式
(2)(1)以外の宅地・・・倍率方式 (評通11)

 

 その宅地の評価方式が路線価地域であるか、倍率地域であるかについては路線価図・評価倍率表で確認できます。

路線価図と評価倍率表は国税庁のHPに掲載されています。

例えば、下の図は、上記HPから閲覧できる路線価図・評価倍率表の京都市右京区梅ケ畑あたりです。

 

 路線価図・評価倍率表の京都市右京区梅ケ畑あたり

 

「倍率地域」とあるのが、倍率方式で宅地の評価をする地域です。
下の方に、道路に数字(路線価)が付されている地域は、路線価方式で宅地の評価をします。

 

国税庁HP「財産評価基準書路線価図・評価倍率表」
https://www.rosenka.nta.go.jp/

 

 

【2】路線価方式
(1)内容
 路線価方式とは、その宅地の面する路線に付された路線価を基とし、一定の定めにより計算した金額によって評価する方式をいいます。(評通13)
路線価方式は表地と裏地などの個別評価をしやすく、都市部の多くで採用されています。
路線価方式は宅地の評価の原則とされることもあり、評価としては地目ごとに、「路線価×地積」で行われます。

 

(2)路線価とは
 「路線価」は、宅地の価額がおおむね同一と認められる一連の宅地が面している路線(不特定多数の者の通行の用に供されている道路をいう。)ごとに設定します。
  路線価は、路線に接する宅地で次に掲げるすべての事項に該当するものについて、売買実例価額、公示価格、不動産鑑定士等による鑑定評価額、精通者意見価格等を基として国税局長がその路線ごとに評定した1平方メートル当たりの価額とします。
(イ) その路線のほぼ中央部にあること。
(ロ) その一連の宅地に共通している地勢にあること。
(ハ) その路線だけに接していること。
(ニ) その路線に面している宅地の標準的な間口距離及び奥行距離を有するく形又は正方形のものであること。(評通14)

 

【3】倍率方式
(1)内容
 倍率方式とは、固定資産税評価額に国税局長が一定の地域ごとにその地域の実情に即するように定める倍率を乗じて計算した金額によって評価する方式をいいます。(評通21)

 

(2)評価方法
イ.原則
 倍率方式により評価する宅地の価額は、その宅地の固定資産税評価額に地価事情の類似する地域ごとに、その地域にある宅地の売買実例価額、公示価格、不動産鑑定士等による鑑定評価額、精通者意見価格等を基として国税局長の定める倍率を乗じて計算した金額によって評価します。(評21-2)

 

倍率表は、以下のもので、国税庁のHPから閲覧できます。

倍率表は、以下のもので、国税庁のHPから閲覧できます。 国税庁HP「財産評価基準書路線価図・評価倍率表」


国税庁HP「財産評価基準書路線価図・評価倍率表」
https://www.rosenka.nta.go.jp/

 

ロ.例外
 地積は、課税時期における実際の面積によります。(評通8)
実査に計測した地積が、縄伸びや縄縮みにより登記簿上の地積より小さかったり、大きかったりすることがあります。

その場合は、固定資産税評価額を実際の地積に割り戻して計算します。


・固定資産税評価額×実際の地積/登記簿上の地積×倍率

 

   

 (2020年8月記載)

 

トピックスに戻る

 

 

(注)当ホームページに記載しております情報の正確性については万全を期しておりますが、 これらの情報に基づき利用者自らが税務申告や各種手続きをされた場合の税務上その他 一切の法律上の責任は保障することはできません。ご了承ください。