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【相続税の財産評価】土地の評価の基本土地の評価の基本(路線価方式、三方・四方路線)

  

【1】三方又は四方に路線がある宅地
 三方又は四方に路線がある宅地の価額は、16≪側方路線影響加算≫及び前項に定める方法を併用して計算したその宅地の価額にその宅地の地積を乗じて計算した価額によって評価する。(評通18)

 

【2】評価方法
(1)正面路線(原則として、前項の定め(※)により計算した1平方メートル当たりの価額の最も高い方の路線。)の路線価に基づき計算した価額
(※)路線価にその宅地の奥行距離に応じて奥行価格補正率を乗じて求めた価額(評通15)

(2)側方路線(正面路線の側方にある路線。)の路線価を正面路線の路線価とみなし、その路線価に基づき計算した価額に「側方路線影響加算率表」 に定める加算率を乗じて計算した価額(評通16)

(3)裏面路線(正面路線の裏側にある路線。)の路線価を正面路線の路線価とみなし、その路線価に基づき計算した価額に「二方路線影響加算率表」に定める加算率を乗じて計算した価額(評通17)

(4)(1)から(3)の合計額にその宅地の地積を乗じる。

 

【3】具体例

※普通住宅地区における補正率等は以下の通りとする。

・奥行価格補正率

16m以上20m未満・・・1.00 

28m以上32m未満・・・0.95

・側方路線影響加算率

角地・・・0.03

準角地・・・0.02

・二方路線影響加算率

0.02

 

〔例1〕三方に路線を有する宅地(裏面路線ありの場合)

(普通住宅地区、504㎡)

三方に路線を有する宅地

 

(1)正面路線の判定

A道路 200,000×1.0=200,000

B道路 180,000×1.0=180,000

C路線 210,000×0.95=199,500

∴Aが最も大きい Aが正面路線、Cが側方路線(準角地)、Bが裏面路線

(2)評価額の計算

イ.200,000×1.0=200,000

ロ.210,000×0.95×0.02=3,990

ハ.180,000×1.0×0.02=3,600

ニ.(イ+ロ+ハ)×504㎡=104,625,360円

 

 

〔例2〕三方に路線を有する宅地(裏面路線なしの場合)

(普通住宅地区、504㎡)

三方に路線を有する宅地(裏面路線なし)

(1)正面路線の判定

A道路 190,000×1.0=190,000

B道路 180,000×1.0=180,000

C路線 210,000×0.95=199,500

∴Cが最も大きい Cが正面路線、A(準角地)とB(角地)が側方路線、裏面路線はなし

(2)評価額の計算

イ.210,000×0.95=199,500

ロ.190,000×1.0×0.02=3,800

ハ.180,000×1.0×0.03=5,400

ニ.(イ+ロ+ハ)×504㎡=105,184,800円

 

 

〔例3〕四方に路線を有する宅地

(普通住宅地区、504㎡)

四方に路線を有する宅地

(1)正面路線の判定

A道路 190,000×1.0=190,000

B道路 200,000×1.0=200,000

C路線 210,000×0.95=199,500

D路線 200,000×0.95=190,000

∴Bが最も大きい Bが正面路線、C(角地)とD(準角地)が側方路線、Aが裏面路線

(2)評価額の計算

イ.200,000×1.00=200,000

ロ.210,000×0.95×0.03=5,985

ハ.200,000×0.95×0.02=3,800

ニ.190,000×1.00×0.02=3,800

ホ.(イ+ロ+ハ+ニ)×504㎡=107,646,840円

 

【4】三方又は四方に路線がある宅地の評価のポイント

奥行価格補正率を使った正面路線の把握がキモになるでしょう。思いがけない道路が正面となる場合もあります。

正面路線が分かれば、各加算率表を適切に使い評価額を算出します。

 

 

 

 

 

 

 

 (2020年12月記載)

 

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